2025 年 10 月 17 日
Anthony Chavez
プライバシー サンドボックス担当バイス プレジデント
Google は、Chrome でユーザーがサードパーティ Cookie を選択できるようにするという現在のアプローチを維持することを発表して以来、プライバシー サンドボックス関連 API とテクノロジーの今後の方向性を決めるべく、エコシステムからのフィードバックを集めてきました。そしてそうしたフィードバックを通じて、なにがビジネス、デベロッパー、ユーザーに最大の価値をもたらすことができるかについて理解を深めてきました。本日は、今後の重点分野と、現在の API の変更に関する最新情報をお知らせします。
私たちは、マーケターやパブリッシャーの皆様から、広告キャンペーンの効果やさまざまなオーディエンスの価値を把握するための大規模な測定ソリューションの重要性に関する明確なご意見をいただいてきました。Google は、相互運用可能なアトリビューション標準を導入するという提案を通じて、プライバシーを保護しながらこの目標を達成できる可能性があると考えています。今後も他のブラウザ メーカーを含む幅広いステークホルダーと協力して、ウェブ標準プロセスを通じた標準策定の取り組みを進めてまいります。
CHIPS と FedCM は、それぞれが Cookie のプライバシー保護とセキュリティのレベルを高め、ID フローを合理化するもので、他のブラウザでサポートされるなど幅広く普及しています。Google はこうした API を引き続きサポートし、今後も強化できる部分があるかどうかを検討していきます。プライベート ステート トークンについても引き続きサポートし、不正行為の軽減に役立つ追加のアプローチを検討していきます。
エコシステム全体でウェブ エクスペリエンスの改善に取り組んでいくうえで、ブラウザがどのように役立つかを探りたいという声や、ユーザーと信頼関係を築きながらファーストパーティ データを保護できるパブリッシャー向けの管理機能に関するご要望も寄せられています。Google は業界全体と協力し、広告を含むウェブ全般のエクスペリエンスの向上に寄与する価値の高い機能を見極めていく予定です。
期待される価値に関するエコシステムのフィードバックを評価し、導入率が低いことを考慮した結果、Attribution Reporting API(Chrome と Android)、IP Protection、On-Device Personalization、Private Aggregation(Shared Storage を含む)、Protected Audience(Chrome と Android)、Protected App Signals、Related Website Sets(requestStorageAccessFor と Related Website Partition を含む)、SelectURL、SDK Runtime、Topics(Chrome と Android)のプライバシー サンドボックス技術を廃止することにしました。これらのテクノロジーは、Chrome と Android のそれぞれのプロセスに沿って段階的に廃止されます。最新情報は、デベロッパー サイトでお知らせしてまいります。
ご協力のお願い
今後の同分野に関しては、廃止になるプライバシー サンドボックス テクノロジーから得られた知見を活かし、ウェブ プラットフォームに対する提案を共有してエコシステムのフィードバックを募りながら、デベロッパーの選択とユーザーの保護を最優先に開発を進めてまいります。たとえば、Attribution Reporting API を設計に取り入れた企業からのフィードバックは、W3C の Private Advertising Technology Working Group を通じて、相互運用可能なアトリビューション ウェブ標準の策定に役立てられます。
プライバシー サンドボックス テクノロジーの設計と開発にご協力いただいた皆様に心から感謝申し上げます。ウェブ エコシステムが進化を続けるなか、Chrome は業界フォーラム、業界団体、W3C、GitHub のステークホルダーと引き続き連携して、健全で活気あるウェブを支えるプラットフォーム テクノロジーを開発し、発展させていきます。